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単価・見積り

ホームページのリニューアル費用の相場:作り直すか保守の乗り換えか

ホームページのリニューアル費用の相場を母数とあわせて読み、見積もりの7項目の内訳と、作り直すか保守の乗り換えと部分の改修で済むかを判断する早見表、管理権限のチェック表、5年の総額の計算表、PHP 8.2 のサポート終了、著作権、301 リダイレクト、持続化補助金までまとめました。

ホームページのリニューアルを考えている中小企業の Web 担当・経営者に向けて、「費用の相場はいくらか」と「本当に作り直す必要があるのか」の2つに答えます。結論から言うと、公開されている相場の数字は母数を確かめてから使い、見積もりを取る前に管理権限・PHP の版・契約書の3つを確かめると、作り直さずに「保守の乗り換えと部分の改修」で済むかどうかを判断できます。この記事から、判断の早見表、手元にそろえるもののチェック表、5年の総額の計算表、制作会社への問い合わせの文例を持ち帰れます。

リニューアルの費用相場:数字の母数を見てから比べる

公開されている相場の数字は、誰が・どんな発注を集めたものかで意味が変わります。比べる前に、調査の主体・対象・時期を確かめてください。

出典が示されている数字の例として、制作会社の紹介サービス「Web幹事」の記事があります。Web幹事経由で発注された金額のデータをもとにしたもので、記事の更新日は2026年7月9日です。

項目 金額・割合
リニューアルの平均 138.2万円
リニューアルの中央値 88.6万円
10万円〜100万円未満の割合 56%
100万円〜500万円未満の割合 40%
コーポレートサイトのリニューアルの平均 131.1万円
コーポレートサイトのリニューアルの中央値 81.4万円

出典: Web幹事「ホームページリニューアルの費用相場と内訳」(https://web-kanji.com/posts/site-renewal-price)

表の数字はすべてリニューアルの発注の数字で、新規制作は含みません。コーポレートサイトの2行は、出典のページの「ホームページ(コーポレートサイト)のリニューアル費用相場」の区分の数字です。

この数字を読むときの注意は3つあります。

  • 母数は「紹介サービスを通して制作会社に発注した案件」です。自社で直した、知り合いに頼んだ、今の制作会社に部分の改修だけ頼んだ、という例は入っていません
  • 集計の期間と件数はページに書かれていません(「5,000件以上の独自データ」という記述のみ)
  • 平均(138.2万円)は高額の案件に引っぱられます。自社の規模に近い目安としては、中央値(88.6万円)のほうが参考になります

出典の書かれていない「相場は〇〇万円」という数字は、比べる材料にしないことをおすすめします。そして、この記事でいちばん伝えたいのは、相場の数字そのものより「自社の見積もりが、なぜその金額になったのか」を読み解くことです。次の節から、その読み解き方を書きます。

見積もりの内訳:項目ごとに何が金額を動かすか

リニューアルの見積もりは、おおむね次の7つの項目に分かれます。金額の差は「ページの数」よりも「デザインの型の数」「原稿と写真を誰が用意するか」「移す記事の数」で大きく開くので、項目ごとに数量と前提を確かめてください。

項目 中身 金額を動かすもの 見積書で確かめること
ディレクション 進行の管理、構成の設計、打ち合わせ 打ち合わせの回数、関わる部署の数、確認の往復の回数 総額に対する割合か、時間か。修正の回数の上限
デザイン トップページと下層ページの見た目 新しく作るデザインの型(パターン)の数。同じ型のページは増えても大きくは上がらない トップと下層の型がそれぞれ何種類か
コーディング デザインを Web ページにする作業 ページの数、スマートフォン対応、動きのある部品の数 ページ単価か一式か。対象のページの一覧があるか
CMS の組み込み WordPress などで社内から更新できるようにする 更新したいページの種類(お知らせ、実績、採用など)の数、入力の項目の数 どのページを社内で更新できるようになるか
ページ単価 下層ページを1枚増やすごとの費用 新しい型か、既存の型の使い回しか 追加のページの単価が書かれているか
原稿・写真 文章の作成、撮影、素材の購入 自社で用意するか、制作会社に頼むか。撮影の日数 「原稿は支給」の前提になっていないか
移行作業 今のサイトの記事・画像・お問い合わせの設定を移す 移す記事の数、今のサイトの管理権限の有無、URL の変更とリダイレクト 移す記事の数と、リダイレクトの対応表が含まれるか

規模ごとに見ると、金額を動かすものが変わります。10ページ前後のサイトでは、ページの数より「デザインの型」と「原稿・写真を誰が用意するか」の比重が大きくなります。30ページ前後になると、下層ページの型の数と、お知らせや実績などの CMS で更新するページの種類、移す記事の数が効いてきます。どの規模でも、今のサイトの管理権限がないと移行作業が重くなり、次の節で書くように「全部作り直し」の見積もりに寄っていきます。

複数の会社から見積もりを取るときは、この7項目に分けて出してもらうと比べやすくなります。Handoff の無料の見積書の項目の例(https://hand-off.jp/resources/templates/estimate-items)も、依頼のときに項目をそろえる台紙として使えます。

見積もりが「全部作り直し」になる理由:手元にない管理権限

管理権限が手元にないと、今のサイトに手を入れられないため、制作会社は「作り直し」で見積もるしかなくなります。見積もりを取る前に、次の表の項目がそろっているかを確かめてください。

確かめるもの どこで分かるか ないと何が起きるか
ドメインの登録者と管理画面のログイン ドメインの更新の請求書・登録事業者からのメール サイトを別のサーバーに移せない。更新が切れるとサイトとメールが止まる
DNS を管理している会社 ドメインの管理画面、または制作会社への問い合わせ 移転のときに向き先を切り替えられない
サーバーの契約者と管理画面のログイン サーバー会社からの請求書 ファイルとデータベースを取り出せない
WordPress の管理者アカウント ログイン画面(多くは /wp-admin/) 更新・修正が一切できない
FTP・SFTP の接続情報 サーバーの管理画面 ファイルを直接直せない
データベースのバックアップ サーバーの管理画面、バックアップのプラグイン 記事やお問い合わせの設定を移せない
有料のテーマ・プラグインの購入記録とライセンス 購入時のメール、販売サイトのアカウント 更新ファイルを受け取れない。買い直しになる
Google アナリティクスと Search Console の権限 各サービスの管理画面 リニューアルの前後で数字を比べられない
制作・保守の契約書 社内の書類 著作権の扱いが分からず、手直ししてよいか判断できない(後の節で説明します)

表の「どこで分かるか」の多くは、自社に届いている請求書で見当がつきます。請求書が制作会社から来ている場合は、ドメインやサーバーの契約者が制作会社の名義になっている可能性が高いと考えてください。

項目ごとに「誰の名義か」「ログインできる人は誰か」を書き出しておくと、乗り換えの相談でも見積もりでも話が早く進みます。

WordPress の放置が費用を押し上げる仕組み

WordPress のサイトを何年も更新していない場合、費用を押し上げるのはデザインではなく、サーバーの PHP の版です。PHP のサポートが切れてサーバー会社が古い版の提供をやめると、古いテーマやプラグインが動かなくなり、「部分の改修」で済んだはずのものが「作り直し」の見積もりに変わります。

PHP の公式サイトが公開しているサポート期限は次のとおりです(2026年10月15日時点)。

PHP の版 公開日 通常のサポートの終了 セキュリティのサポートの終了
8.2 2022年12月8日 2024年12月31日 2026年12月31日
8.3 2023年11月23日 2025年12月31日 2027年12月31日
8.4 2024年11月21日 2026年12月31日 2028年12月31日
8.5 2025年11月20日 2027年12月31日 2029年12月31日

出典: PHP「Supported Versions」(https://www.php.net/supported-versions.php)

8.1 以前の版はこの表になく、すでにサポートが終わっています。PHP 8.2 で動いているサイトは、2026年12月31日でセキュリティの修正も受けられなくなり、残りは約2か月半です。

WordPress の側も、ホスティング向けの公式の手引きで本番環境には PHP 8.4 以上をすすめています。WordPress 7.1 は PHP 7.4 以上で動きますが、手引きはサポートの終わった PHP の版は互換のために残しているだけだとし、サポート中の版を強くすすめています。さらに、公式の文書は「古い版の WordPress はセキュリティの更新が行われない」としています。

自社のサイトの状態を確かめる方法

WordPress の管理画面にログインできるなら、次の画面で確かめられます。

  1. 「ダッシュボード」→「更新」で、WordPress 本体・プラグイン・テーマに更新が残っていないか見る
  2. 「ツール」→「サイトヘルス」→「情報」タブ→「サーバー」の項で、PHP の版を見る
  3. 「外観」→「テーマ」で、使っているテーマの名前を控える(配布や販売が終わっていないかを制作者に調べてもらうため)

ログインできない場合は、今の保守会社に次の文面で問い合わせてください。

件名:当社ホームページの稼働環境についてのご確認

いつもお世話になっております。〇〇株式会社の〇〇です。 当社ホームページについて、次の点をお知らせいただけますでしょうか。

  1. サーバーで動いている PHP の版
  2. WordPress 本体の版と、更新が残っているプラグインの有無
  3. PHP 8.4 以上に上げた場合に動かなくなるテーマ・プラグインの有無
  4. 直近で実施したバックアップの日付と保管場所

PHP 8.2 のセキュリティサポートが 2026年12月31日に終わると聞き、 今後の改修の計画を立てるために確認させていただいております。 〇月〇日までにご返信いただけますと幸いです。

保守の契約で何をしてもらうべきかの目安には、情報処理推進機構(IPA)の「安全なウェブサイト運営にむけて ~企業ウェブサイトのための脆弱性対応ガイド~」(2021年3月30日公開の改訂版)が使えます。小規模なウェブサイトの運営者を想定し、セキュリティ対策を外部に任せるときの考え方も扱っています。

作り直すか、保守の乗り換えで直すか:判断の早見表

困っていることが「デザインや中身」なのか「運用の体制」なのかで、選ぶべき道が分かれます。運用の体制の問題なら、作り直しても同じ問題が残ります。

状況 向いている道
事業や商品が変わり、載せる中身とページの構成を大きく変えたい 作り直し
スマートフォンで見ると崩れる・文字が小さすぎる 作り直し(または該当部分の改修を見積もって比べる)
更新の仕組み(CMS)がなく、社内で文章を直せない 作り直し
テーマの配布が終わっていて、PHP 8.4 以上で動かない 作り直し(テーマの入れ替えで済むかは見積もって比べる)
デザインや構成に大きな不満はない 保守の乗り換え+部分の改修
困っているのは「制作会社と連絡がつかない」「頼んでも直してもらえない」 保守の乗り換え
保守の費用に見合う作業をしてもらえていない 保守の乗り換え
WordPress とプラグインを更新すれば、今の PHP の版で動く 保守の乗り換え+更新
管理権限が一部しか手元にない まず権限を取り戻す(判断はその後)

表で両方に当てはまる場合は、順番を決めるのがおすすめです。まず管理権限を取り戻して保守を乗り換え、WordPress とプラグインを更新します。それでも直らない部分、たとえばスマートフォンでの表示や古いテーマだけを作り直しの範囲として見積もってもらいます。

この順番にすると、作り直しの見積もりに「今のサイトを調べる」「データを取り出す」といった作業が入る分を減らせます。また、権限がそろっていれば、作り直しを頼む会社を選ぶときにも、複数の会社から同じ条件で見積もりを取れます。

保守の費用そのものが見合っているかの見分け方は、「ホームページの保守費用の相場:払いすぎ・足りなすぎの見分け方」(https://hand-off.jp/blog/website-maintenance-cost)で詳しく書いています。

5年の総額で比べる:作り直しと保守の乗り換え

初期費用だけを比べると作り直しの判断を誤ります。作り直しても保守の契約は続くので、初期費用と月額を同じ期間で合わせて比べてください。

比べるための計算表は次のとおりです。見積もりを取ったら、空欄に金額を入れてください。

項目 作り直し 保守の乗り換え+部分の改修
調査・移行の費用 (見積もり) (見積もり)
制作・改修の費用 (見積もり) (見積もり)
保守の月額 × 60か月 (月額 × 60) (月額 × 60)
有料のテーマ・プラグインの更新料(5年分) (見積もり) (見積もり)
ドメイン・サーバーの費用(5年分) (請求書から) (請求書から)
5年の総額 合計 合計

5年の総額の計算の例

次は、計算表の使い方を示すための例です。金額はすべて仮に置いたもので、相場ではありません。

  • 前提(作り直し): 制作の費用 90万円、保守の月額 1.5万円
  • 前提(保守の乗り換え): 調査・移行の費用 10万円、部分の改修 30万円、保守の月額 1.5万円
  • 前提(共通): ドメイン・サーバー・ライセンスの費用は両方で同じとして、比較から外す
項目 作り直し(例) 保守の乗り換え+部分の改修(例)
初期費用 90万円 40万円(10万円+30万円)
保守の月額 × 60か月 90万円(1.5万円 × 60) 90万円(1.5万円 × 60)
5年の総額 180万円 130万円

この例では差は50万円で、差はすべて初期費用から来ています。保守の月額は両方に同じだけかかるので、保守を乗り換えずに作り直しても、保守の費用は減りません。逆に、作り直しのほうが保守の月額が下がる(作業が軽くなる)見積もりなら、その差を60倍して比べてください。

もう一つ、計算表に入れにくい差があります。部分の改修で直したサイトは、数年後に作り直しが必要になるかもしれません。その場合は「部分の改修+数年後の作り直し」の総額と比べることになるので、見積もりのときに「この改修で、あと何年使えそうか」を制作者に聞いておくと判断しやすくなります。

著作権と契約書:前の制作会社のデザインを別の会社が直してよいか

別の会社に保守や改修を頼む前に、今の契約書の著作権の条項を確かめてください。「著作権は譲渡する」とだけ書かれた契約では、手直し(翻案)の権利は制作した側に残ると推定されるからです。

著作権法 第61条第2項は次のように定めています。

著作権を譲渡する契約において、第二十七条又は第二十八条に規定する権利が譲渡の目的として特掲されていないときは、これらの権利は、譲渡した者に留保されたものと推定する。

第27条は翻訳・翻案などの権利、第28条は手直しして作ったもの(二次的著作物)の利用についての元の著作者の権利です。この2つが契約書にはっきり書かれていない場合、デザインやコードを別の会社が手直しすることについて、前の制作会社の権利が残っていると推定されます。

契約書で確かめる箇所は次の3つです。

  • 著作権の譲渡の条項に「著作権法第27条及び第28条に規定する権利を含む」といった文言があるか
  • 著作者人格権を行使しない、という条項があるか
  • テーマ・写真・イラスト・フォントなど、制作会社以外が権利を持つ素材のライセンスがどうなっているか

条項が足りない場合の現実的な選択肢は、前の制作会社に連絡して手直しへの同意を書面でもらうことです。連絡がつかない、または同意が得られない場合は、問題になりうる部分(デザインや独自に書かれたコード)だけを新しく作り直す、という道もあります。

ただし、デザインやコードのどこまでが著作物にあたるかは、個別の事情で判断が分かれます。契約書の読み方に迷う場合や、前の制作会社ともめている場合は、弁護士に相談してください。

制作会社と連絡がつかないときの乗り換えの手順

連絡がつかないときは、サイトを止めないことを最優先に、ドメイン、サーバー、WordPress の順で管理権限を取り戻します。ドメインの期限切れはサイトとメールが同時に止まる原因になるので、まず期限を確かめてください。

手順1:ドメイン

.com や .net などのドメインは、ICANN(ドメイン名の国際的な管理団体)の移管の規則で次のように決まっています。2026年10月時点で効いているのは、2024年2月21日に更新された版です(2025年8月21日までにすべての登録事業者が適用)。

  • 登録者が求めたら、登録事業者は5日以内に認証コード(AuthInfo コード)を渡さなければならない
  • 新規登録から60日以内、または前の移管から60日以内は、移管を断られることがある
  • 登録者の名義を変えた後は、60日間は別の登録事業者に移せない(名義の変更の前に申し出れば外せる)

このため、名義の変更と事業者の移管を続けて行うときは、60日のロックがかからないよう、名義を変える前に事業者に相談してください。ICANN では、ロックの期間や認証コードの呼び名を変える規則の見直しが進んでいますが、この記事を書いた時点で施行の日付は確かめられていません。移管の前に、今の登録事業者に最新の扱いを確かめてください。

.jp のドメインはこの規則ではなく日本の登録管理団体(JPRS)の規則で扱われます。.jp も、管理する事業者(指定事業者)を変えるときは認証コード(AuthCode)が必要で、今の事業者を通じて JPRS が発行し、有効期限は発行の翌日から35日です。手続きの細かな流れは、今の登録事業者に問い合わせてください。

手順2:サーバー

サーバーの契約者が制作会社の名義の場合、自社だけでは契約を引き継げないことが多いです。サーバー会社に名義変更の手続きを問い合わせ、それが難しければ、自社名義で新しいサーバーを契約してデータを移します。データを移すにはファイルとデータベースが必要なので、前の制作会社への連絡は続けてください。

手順3:WordPress

WordPress の管理者アカウントが分からない場合も、サーバーとデータベースに入れれば、作業を頼む制作者と対応を相談できます。逆に、サーバーに入れないままでは WordPress の側から打てる手がほとんどないので、手順2を先に済ませます。

前の制作会社への連絡の文例

件名:ホームページの管理情報のご提供のお願い(〇〇株式会社)

〇〇様

お世話になっております。〇〇株式会社の〇〇です。 当社ホームページの保守の体制を見直すことになり、 次の情報のご提供をお願いできますでしょうか。

  1. ドメイン(〇〇.co.jp)の登録事業者名と、移管に必要な認証コード(AuthCode)
  2. サーバーの契約名義と、名義変更の手続きへのご協力
  3. WordPress の管理者アカウント
  4. 有料テーマ・プラグインのライセンス情報
  5. 制作時の契約書の写し(当社控えが見当たらないため)

これまでのご対応に感謝しております。 お手数ですが、〇月〇日までにご返信をいただけますと幸いです。

期限を書くのは、返信がないときに次の手(サーバー会社やドメインの登録事業者への直接の問い合わせ)に進む区切りにするためです。やり取りはメールで残してください。

新しい保守の担い手に頼むとき

新しい保守をフリーランス(従業員を使わない個人や、代表者1人のほかに役員も従業員もいない法人)に頼む場合は、フリーランス・事業者間取引適正化等法(2024年11月1日施行)の対象になります。発注するときは、業務の内容・報酬の額・支払期日などの取引条件を書面やメールで示す義務があり、従業員を使う事業者が発注するときは、給付を受けた日(保守のような役務の場合は提供を受けた日)から60日以内に支払期日を定める必要があります。詳しくは公正取引委員会の特設サイト(https://www.jftc.go.jp/freelancelaw_2024/)と、「フリーランス新法とWeb制作の外注:条件の明示・60日払い・発注文例」(https://hand-off.jp/blog/freelance-law-web-production-outsourcing)を見てください。

新しい保守の担い手が見つからない場合は、Handoff で保守の乗り換えの相談を無料で出せます(https://hand-off.jp/companies)。Handoff は Web 制作のフリーランスや小さな制作会社が、手放したいホームページの保守を引き継ぎ合う場です。

リニューアルで検索の流入を落とさない:URL の対応表と301

作り直しでページの URL が変わるなら、古い URL から新しい URL へのリダイレクトを用意し、少なくとも1年は残してください。これを省くと、検索結果から来ていた人が「ページが見つかりません」に行き着きます。

Google 検索セントラルの「URL の変更を伴うサイト移転」(最終更新 2026年8月20日)は、次の手順をすすめています。

  • 古い URL の一覧を作り、それぞれの行き先の新しい URL を決める
  • できる限りサーバー側の恒久的なリダイレクト(301 や 308)を使う
  • リダイレクトを何重にもつなげず、最終的な行き先へ直接転送する
  • リダイレクトはできるだけ長く、一般には少なくとも1年は残す
  • ドメインやサブドメインを変えるときだけ、Search Console の「アドレス変更」を使う
  • 小〜中規模のサイトでも、ほとんどのページが移るまで数週間かかることがある

制作会社には、次のような対応表を作ってもらい、公開前に自社でも目を通してください。

古い URL 新しい URL 転送の種類 確認した日
/company.html /about/ 301
/service/index.html /services/ 301
/news/2023/0401.html /news/2023-04-01/ 301

依頼するときは「古い URL の一覧と転送先の対応表を、公開の前に共有してください」「リダイレクトは公開から少なくとも1年は残してください」の2点を見積もりの条件に入れておくと、後から「別料金」と言われる余地を減らせます。公開の後は、Search Console の「ページ」の報告で、見つからないページが急に増えていないかを数週間見てください。

補助金で費用の一部をまかなう(2026年10月時点)

ホームページにかかる費用の一部は、小規模事業者持続化補助金で補助を受けられる場合があります。ただし、申請の受付期間が決まっていて、ウェブサイトにかかる経費には独自の決まりがあるので、公募要領を必ず確かめてください。

〈一般型・通常枠〉第20回の主な条件は次のとおりです(公募要領 第8版、2026年7月21日改版)。

項目 内容
申請の受付 2026年11月5日〜2026年12月15日 17:00
事業支援計画書(商工会議所・商工会が発行)の受付の締切 2026年12月4日
補助の上限 50万円(インボイス特例で50万円、賃金引上げ特例で150万円を上乗せ。両方の対象なら最大200万円の上乗せ)
補助率 3分の2(賃金引上げ特例に取り組む赤字の事業者は4分の3)

出典: J-Net21(中小企業基盤整備機構、2026年6月2日)、商工会議所地区の事務局のサイト

申請の前に、公募要領の「補助対象経費」の項で、ウェブサイト関連費の上限、ウェブサイト関連費だけで申請できるかどうか、保守の費用が対象になるかどうかを確かめてください。商工会議所・商工会の事業支援計画書が必要なので、12月4日の締切から逆算して早めに地域の商工会議所・商工会に相談するのが確実です。

「中小企業デジタル化・AI導入支援事業費補助金」(旧 IT導入補助金)は、ソフトウェアの購入費やクラウドの利用料が中心の補助金です。ホームページの制作を主な目的にする場合は、公式サイトの公募要領で対象になるかを確かめてから計画してください。

明日からやること

  1. ドメインとサーバーの請求書を探し、名義が自社か制作会社かを確かめる
  2. WordPress の管理画面の「サイトヘルス」で PHP の版を見る。入れなければ、この記事の文例で保守会社に問い合わせる
  3. 制作の契約書を探し、著作権の条項に「第27条及び第28条」の文言があるかを見る
  4. 判断の早見表で、自社が「作り直し」と「保守の乗り換え」のどちらに近いかを決める
  5. 見積もりを取るときは、5年の総額の計算表に入れて比べる
  6. 持続化補助金を使うなら、地域の商工会議所・商工会に12月4日より前に相談する

出典・参考

  1. ホームページリニューアルの費用相場と内訳(株式会社ユーティル(Web幹事))
  2. Supported Versions(The PHP Group)
  3. Server Environment(Hosting Handbook)(WordPress.org)
  4. Hardening WordPress(WordPress.org)
  5. 安全なウェブサイト運営にむけて ~企業ウェブサイトのための脆弱性対応ガイド~(改訂版)(独立行政法人情報処理推進機構(IPA))
  6. 著作権法(e-Gov 法令検索(デジタル庁))
  7. Transfer Policy(2024年2月21日更新)(ICANN)
  8. PDP Transfer Policy Review(ICANN GNSO)
  9. ドメイン名の管理指定事業者の変更(株式会社日本レジストリサービス(JPRS))
  10. 公正取引委員会フリーランス法特設サイト(公正取引委員会)
  11. URL の変更を伴うサイト移転(Google 検索セントラル)
  12. 「持続化補助金<一般型・通常枠>」第20回公募情報(独立行政法人中小企業基盤整備機構(J-Net21))
  13. 小規模事業者持続化補助金〈一般型・通常枠〉(商工会議所地区)(小規模事業者持続化補助金 事務局(商工会議所地区))
  14. 通常枠(デジタル化・AI導入補助金)(独立行政法人中小企業基盤整備機構)
  15. 見積書の項目の例(Handoff)

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Handoff 編集部Web 制作者どうしで案件と保守を渡し合う場「Handoff」の編集部です。制作の現場と、ホームページの保守の困りごとについて書いています。